安保法制は「戦争法」とも称されているように、日本に対する武力攻撃とは無関係に、内閣が「存立危機事態」と認定すれば、他国に対して武力行使を可能とする仕組みを作り出すものです。このような仕組みは、憲法9条の文言に明確に違反するため、憲法学者及び様々な立場の法律の専門家から批判を受けてきました。さらに、法的安定性を無視する一内閣の独断的な憲法解釈とそれを具体化する安保法制の存在は、日本の立憲主義にとって大きな禍根を残しているのです。
安保法制審議を通じ、政府の政策に対して声を上げることの重要性を知るとともに、その限界を目の当たりにしました。また、選挙を通じて国会の構成を変えていくことの重要性を学びました。そのためには国会内に政権与党と対抗できる政治勢力を作りあげ、政権与党から議席を奪うことが不可欠なのです。安保法制の制定を契機として、全国に「野党の統一」を働きかける運動が起こっています。この夏に行われる参議院議員通常選挙では、32ある一人区の選挙区のうち、21の選挙区で野党統一候補が擁立されるなど、着実に成果として表れています。
市民・野党と自公の対決となった衆議院北海道5区補選では、野党統一候補が惜しくも敗れたものの、出口調査では、無党派層の約7割が野党統一候補を支持するなど、野党共闘がすすめば勝利の可能性があるということが示されました。愛媛県でも様々な市民運動が広がり、去る3月29日にこの場所で行われた緊急集会では、愛媛県政史上初めて県内野党勢力がそろい踏みして、「野党は共闘」の声を高らかに上げました。愛媛での野党統一候補の擁立もあとひといきのところまで来ています。
今日、この集会で、私たちは改めて安保法制を廃止しなければならないことを心に刻むとともに、この法律の内容を具体的に執行させない運動を繰り広げていくこと、そしてこの法律そのものを廃止していく第一歩として、きたる参議院議員選挙に向けて、野党統一候補の擁立を目指して引き続き運動をしていくことを表明します。
2016年4月29日
安保法制の施行に抗議し廃止を求める第2回愛媛緊急集会参加者一同